西行法師


今日2月11日は「建国記念の日」。

日本書記に記された、神武天皇が奈良橿原で即位された日にちなみます。


今日はなんと!
東京でも朝から雪が降ってますね!

あまり降ると、交通機関にも影響が出るので、積もらないといいんですがね~。




さて建国記念日の今日ですが、今回は『西行法師』のことを書いてみようと思います。


西行法師とは平安時代末期、奇しくも平清盛と同じ年に生まれ、平家の興隆~源平合戦~平家滅亡~鎌倉幕府成立、という動乱の世を生きた方です。


この西行法師の「決意」が凄いので、紹介したいと思います。

でも、偉人の決意の凄さにびっくりするのは、何も西行法師に限ったことではありません‥。

例えば、燃えるシバの中に神の声を聞き、同胞ヘブライ人の解放に立ち上がったモーゼ。

菩提樹の下で梵天の声を聞いて悟りを開き、世の救済に立ち上がった釈迦‥。
またイエス様、弘法大師、日蓮聖人然り…。



神仏から選ばれた人の決意というものは、洋の東西、時代を問わず超人的です。

常人ならざる意思の強さは、神仏に対する一途な想いと、定められた使命感からくるものなのでしょうか‥。





さて‥その西行法師ですが、研ぎ澄まされた感性ゆえ、きっと戦乱の世に諸行無常を感じていたのでしょう‥。

あるいは仏法の真理を、まだ見ぬ諸国へ求めていたのでしょうか…?


ともかく西行は官職という地位ある仕事に愛する家族‥。
その一切を放擲して修行の旅に出る覚悟を決めます。


だが、決心したはずの西行の脳裏には、いつも幼い娘の姿が浮かんでくるのです。

きっと今までも出家の決心をしては、愛娘を見るたび思い留まってしまう、ということを繰り返していたのでしょう‥。

出家の決意をみなぎらせて西行が帰宅すると、今日もその可愛い娘が


「お父さん!おかえりなさ~い!」


とばかりに、嬉しそうに寄ってきます。


すると西行さん!!
何と寄ってきた愛娘を

「ドカッ!」

‥と、蹴り飛ばしてしまうのです!!


蹴り飛ばされた娘は可哀想に縁側から庭まで「ゴロンゴロン」とすっ飛ばされてしまいます。


さらに西行さん、追い討ちをかけるように娘に向かって、



「お前がっ!
‥お前がいるからっ‥!!」



と、怒鳴り付けるのです。


そのまま西行は家を出て、仏道を求めて出家してしまうのです‥。






‥どうですか?この決意。





可愛い娘を蹴り飛ばし、一切の執着を絶った、この行為…。



娘に向かって言った言葉、

「お前が‥、お前がいるから‥!!」

に、西行の苦悩が込められています…。


わたしなど読みながら、

「ヒドっ!‥何も、そこまでしなくたって…」

と思ってしまいましたが、そこが凡人ゆえなんでしょう‥。


わたしは息子、娘を捨てて出家することは出来ませ~ん。



自分にとって大切なものを犠牲にして神に仕える者を聖書では『義人』といいます。


わたしは西行のこの行為が、聖書の創世記のアブラハムとイサクの話しとダブりました。



子供を授からなかったアブラハムとサラは、神の祝福を賜わり、百歳の時にやっと男の子イサクを授かります。
だが神はアブラハムの信仰を試すため、イサクが青年に成長した時アブラハムに言うのです‥。


「アブラハムよ‥イサクをわたしに犠牲として捧げよ!」


神に忠実なアブラハムは神の命ずるまま、たった一人の愛し子イサクを縛り付け、ナイフで手にかけようとした瞬間、神はまたアブラハムに現れて言います。


「アブラハムよ!
イサクに手をかけてはならない!
何もしてはならない!
‥わたしは、あなたが本当にわたしに忠実であることを今知った。
わたしはあなたを祝福し、あなたの子孫をとこしえに栄えさよう!
あなたが大切なものをわたしに捧げたからである」



自分にとってかけがえのない大切なものでさえ、神に捧げようとする‥。
そんな人間の真心を、神仏が放っておくはずはありません。
仏の加護と試練を賜わりつつ、各地を修行して巡った西行法師は、後世に名を遺す立派な偉人になりました。



各地で旅情に駆られ、様々な秀でた和歌をしたためつつ修行を続ける西行さんはある時、川の渡し場で、無頼者の武士にイチャモンを付けられ「邪魔だ!船を降りろ!」と散々に殴られてしまいます。

これも神仏の厳しい試しってヤツでしょうか‥?

でもさすがは西行法師。
頭から血を流しながらも少しも恨むふうもなく、無頼者の武士に合掌して船を降りるのです。

そんな西行を哀れむお伴の僧に、

「仇を仇で報じようとすれば、その恨みは絶えることなく次々続く。
忍の心で敵に対すれば、仇はただちに消え失せる。
これらはみな、他人のために益あれと願う、仏道修行の姿なのだ。」

と諭します。

殴られてなお相手を拝む‥。
このあたり、すでに常人の域を脱してます‥。


「汝を迫害する者のために祈れ」


と言ったイエス・キリストの箴言と同じです。


この、「自分の敵のために祈る」という行為は、神仏が人類に与える重要課題だとわたしは思うのですが、いかがでしょう‥?

いやいや…わたしもいつかはかくありたいものです…。




さてさて西行法師の旅は、劇的場面を迎えます。

何と愛しい娘と再開するのです。


蹴り飛ばして家を出て以来の再会。
立派に品良く成長した娘に、西行は喜びます。
そして娘も西行に従って、尼になるのです。


娘との再開を果たし、何の憂いもなくなった西行法師は、七十歳の二月十五日、お釈迦様が涅槃に入られた日と同日、お亡くなりになられましたとさ‥。



 「願わくは
   花のもとにて
      春死なむ
  その如月の
     望月の頃」



  西行法師 辞世

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この記事へのコメント

たま
2011年02月13日 19:19
西行法師という人に、興味を持ちました。
勉強になりました。
ぜひ読んでみます。ありがとうございます!

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