ダニエル書の奇跡


ユダヤ人の預言者ダニエルは、バビロニア捕囚の民として、紀元前600年頃にエルサレムからバビロニアに連れ去られていました。
捕囚として囚われの身となっていたダニエルですが、神様のみこころに叶った正しい行いの人でしたので、仲間と共にバビロン王に仕えることとなりました。


真の創造神を知らないバビロンの王ネブカデネザルは、ある時、金で神の像を造り

「楽器の音が流れたならば、ひれ伏して金の像を拝まなければならない。
ひれ伏して拝まない者は、ただちに火の燃える炉の中に投げ込まれる」

と、国中におふれを出しました。
それで国中の人は皆、楽器の音が流れると、ひれ伏して王の立てた金の像を拝んだのです。


しかしダニエルの仲間、シャデラク、メシャク、アベデネゴの三人は、金の像を拝まないので捕えられ、王の前に引き出されて詰問されます。

「あなたがたは金の像を拝まないとは本当か?
本当ならただちに火の燃える炉の中に投げ込まれる。
一体、どの神がわたしの手からあなたがたを救うことができようか。」

三人はこれに泰然自若と答えます。

「王よ、この事についてお答えする必要はありません。
もしそのようなことになれば、わたしたちの仕えている神は、その火の燃える炉から、わたしたちを救い出すことができます。
また王よ、あなたの手から、わたしたちを救い出されます。
例えそうでなくとも王よ、ご承知ください。わたしたちはあなたの神々に仕えず、またあなたの立てた金の像を拝みません。」

怒った王は

「炉の火を、通常よりも七倍熱くせよ!!」

と命じ、三人を火の燃え盛る炉の中に投げ入れました。
火の勢いが余りに激しかったため、三人を投げ入れた人々はその火炎に巻き込まれて焼け死んでしまう程でした。


しかし何と!火の中に投げ込まれた三人は、何事もないように火の燃え盛る中を歩いているのです!!
その様を見た王は驚き、立ち上がって言いました。

「われわれはあの三人を縛って火の中に投げ入れたではないか!?
しかし彼らは火の中を歩いているが、なんの害も受けていない!
その様子は神の子のようだ!!」

王は炉の入口に近寄って

「いと高き神のしもべよ、出てきなさい」

と言ったので、三人はその火の中から出てきましたが、その身には何の害も受けておらず、髪の毛も焼けず、着ていた外套(コート)さえ焦げてもいませんでした。


この奇跡に王は、三人の仕える神を褒め讃えます。

「シャデラク、メシャク、アベデネゴの神はほむべきかな!
神はその使者を遣わしてご自分に寄り頼むしもべらを救われた。
また彼らは、自分の神以外の神に仕え拝むよりも、むしろ王である私の命令を無視し、自分の身をも捨てようとしたのだ!
このような救いを施すことのできる神は、ほかにいない!!」

偶像を神として崇めていた王始め、バビロニアの人々も、この神こそ主であることを悟ったのです。


これ以後、ネブカデネザル王は主を堅く信じるようになり、その教えに正しく歩まれました。
しかし王の子ベルシャザルの時代になると、ベルシャザル王は神を軽んじ、かつてエルサレムの神殿に祀られていた聖なる金銀の器で酒を飲んだので、神の怒りが臨んでその日のうちに死んでしまいます。


新たにダリヨスという王が誕生しますが、王は霊的知性に富んだダニエルを愛し、自分の次の地位にダニエルを立てようとします。
しかしいつの世も、優れた人の出世に妬み恨みを持つ輩がいるもので、ダニエルを陥れようと、夥しい数の総監や総督といった官僚たちが罠をしかけるのです‥。

「王よ、今より30日の間、ただあなたのみに願い事をさせ、もしあなた以外の人、または神に願い事をする者があれば、すべてその者を獅子の穴へ投げ入れるという禁令を出して下さい。」

王はその禁令を良しとし、署名しました。
総監たちはダニエルが毎日、主に祈りを捧げることを知っていたので、ダニエルを陥れようと謀ったのです。


主に祈りを捧げていたダニエルを総監たちが引っ捕らえ、王の前に連れて来て奏上します。

「王よ、あなたの署名した禁令を破り、ダニエルが神に祈りを捧げています。
法に従いダニエルを獅子の穴へ投げ入れてください。」

王はこれを聞いて大いに憂い、ダニエルを救おうと試みますが、自ら署名したことにより、仕方なくダニエルを獅子の穴へ投げ入れることを許してしまいます。

王はダニエルに

「どうかあなたが仕える神が、あなたを救われますように。」

と言って、夜は食を断って一睡もせず、朝早く起きて獅子の穴へ行きました。

「ダニエルよ、あなたが常に仕えている神は、あなたを救いましたか。」

王は心配そうに穴の中へ問いました。
すると驚くべきことに、獅子の穴の中からダニエルの答えが返ってきたのです。

「王よ、わたしの神はその遣いを送って獅子の口を閉ざされたので、獅子はわたしを害しませんでした。
これはわたしに罪のないことが、神の前に認められたからです。」

王は喜び、ダニエルを穴から出しましたが、その身には何の害も受けていませんでした。
王はダニエルを陥れた総監らを獅子の穴へ投げ入れさせました。
彼らが穴の底に達しないうちに、獅子は彼らに飛び掛かって、その骨までも噛み砕いてしまいました。


王はすぐ全土に詔をだします。

「全ての人々は、みなダニエルの神をおののき、畏れなければならない。
獅子の穴から救い出したこの神こそ、真の主である。」


ダニエルは以後も王に仕え、神霊界で見た預言を書き記しています。




「からだを殺しても、魂を殺すことのできない者どもを恐れるな。
むしろからだも魂も地獄で滅ぼす力のあるかたを畏れなさい。」


これはイエス様の言葉です。


ダニエルらは捕囚の身となり、異国の地で、異教の神々に囲まれながらも、創造主を堅く信じて決して離れませんでした。
例え燃えたぎる火の中、餓えた獅子の穴へ投げ入れられようと、イエスの言葉そのままに、他の神に仕えることを拒んだのです。
神はその篤い信仰心を視し給い、奇跡をもってダニエルらを危機から救い出しました。


さらに神は、創造主が誰であるかをユダヤ人や異教の人々に判らせるために奇跡を顕して示されました。
いつの世も、人間は自分たちの都合で勝手に神を造り出し、大衆を惑わせます。
正しい神を自ら選んでいくことは、昔から「神の厳しい試し」でもあったようです。


現代も信教の自由(放従)によって夥しい数の神々が溢れています。
中には人間である教祖を神として崇める団体まで存在します。
さらにはモーゼ、イエス他、様々な預言者、或いはお釈迦様や弘法や日蓮などの説かれた神仏の教えを歪曲し、宗門宗派に分裂し、互いに批判し殺し合う、恐るべき時代です。
人間の欲や都合が招いた悲しい結果なのでしょうが、民衆を救い導き、教え給った神仏や聖者たちの嘆きや悲しみ、そして怒りが、天上より聞こえてきそうな気がしてしまいます・・。



『わたしは主である。
わたしより前に造られた神はなく、わたしより後にもいない。
ただわたしのみ主である。

わたしはよろずの物を造り、ただわたしだけが天をのべ、地を開いた。

わたしは光を造り、また暗きを創造し、繁栄を造り、またわざわいを創造する。

わたしは主である。
わたしと等しい者はいない。』




創造主たる全能の神は、必ず近い時に、真の創造主が誰であるかを、全人類の前にはっきりと顕す時が来るでしょう。


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